学資保険とこども保険の違いとは

多くの人が、

学資保険こども保険は、どう違うの?」

という疑問を抱えています。

これらの保険の差は、現実のところほとんどなくなってきました。

学資保険の当初の目的

学資保険は、その言葉が示すように、教育用の資金を確保するための保険です。そのため、教育資金を普段の生活費等から離しておき、親の死亡時にでも育英年金を受け取ることで、子供の教育費が確保されるというのが、本来の学資保険の目的でしょう。

しかし最近の学資保険は、医療保障や子供の死亡保障までも含むものが出てきたために、それらをカバーしているこども保険との差がなくなってきたのです。

保険の組み合わせ

このように、学資保険こども保険の違いがなくなってくると、自分達が希望する保険の目的を明確にする必要がどうしても出てきます。

学資保険は、貯蓄が主体と決めて、できるだけ元本割れしない保険プランを選んだり、子供の怪我や病気による入院費はこども保険でまかなったりと、自分達で保険の組み合わせを考えることが必要になってきそうです。

別のコラム「学資保険の比較はむずかしいが…」で書きましたが、「回収率」と「受取倍率」のバランスは、学資保険の場合ばかりではなく、どのタイプの保険を検討する場合でも、大切な視点です。

学資保険だから、こども保険だからという名称にまどわされることなく、各社の保険内容の特徴を十分に理解して、自分達に最適な保険の組み合わせを考えてみると、当初考えていなかったような、自分達なりの意外な保険プランの組み合わせが見えてくるものです。

このホームページに来てくださった人は、学資保険の加入や比較に関心が高い時期だと思いますが、時間をかけて各社の学資保険を少しずつ検討するのがよいのではないでしょうか。

長い期間支払うことになる学資保険。

じっくりと、各社の保険を比較してみましょう。

簡易保険と学資保険

学資保険を検討する時に、簡易保険が頭に浮かぶ方が多いようです。

簡易保険とは、郵便局で扱っている、日本郵政公社が管理している生命保険ですが、よく略称で簡保(かんぼ)と呼ばれていますね。

簡易保険について、詳しく知りたい人は、Wikipediaの簡易保険の解説が参考になります。

参考:Wikipedia 簡易保険の解説

この「きちんと知りたい学資保険とは」は、学資保険をテーマにしていますので、簡易保険の全体像についての説明は省きますが、他のコラムですでに説明したように、郵便局の学資保険は、やはり信頼感ということで選択する人が多いようです。

少し知り合いに聞いたことなども交えて、郵便局の学資保険について、もう少し詳しく書いておきましょう。

簡易保険という名称ですが、もともとは医師の診断や職業上の制約がなくても加入することができるということから、この「簡易」と言葉が使われるようになりました。

そのため、「医師の診断」と「職業の問題」がないのが、郵便局の学資保険の特徴です。

・医師の診断
最近、保険会社のコマーシャルで医師の診断がいらないといっているものがありますが、かんぽの学資保険では、ずいぶん以前から医師の診断を必要としていません。

・職業の問題
普通の保険会社は、危険が高い職業の人の加入を思わしく思っていないようです。このような人にとって、郵便局の保険に手軽に入ることができるのはうれしいですね。

・申込場所が近所にある
郵便局は日本全国いたるところにありますので、申し込みがしやすいというのも特徴の一つです。

この手軽さがアピールポイントですが、誰でも入りやすい反面、保険金の額が低く抑えられていますので、民間の保険会社ほどは、死亡時などに受け取る金額が多くありません。

このような点も考慮して、民間の学資保険と比較してみましょう。

学資保険の比較はむずかしいが…

学資保険に限らず、各種の保険の比較というのはむずかしいものです。

どのような視点で、学資保険の比較を行なうかというのが一つのポイントになりますが、このコラムでは、比較するときの要点についてまとめておきましょう。

学資保険を比較するには

学資保険を比較する場合、「貯蓄型か保障型か」というのが一つの基準になります。

貯蓄型というのは、満期になったときに、支払った合計保険料の何%を得ることができるかという視点から考えなければなりません。

学資保険を支払った金額以上を受け取ることができるとは限らないのが、学資保険の特徴の一つです。

学資保険は、契約者(父親や母親)が死亡した時に、支払った保険料以上にお金を受け取ることができる契約内容になります。

この点を考慮して、保険会社がプランニングした保険商品であるため、満期時の受け取り金額が少なくなるケースがあるのです。

保険の専門家は、「回収率」と「受取倍率」という2点の視点から学資保険を比較するそうです。「回収率」が1.0未満であれば、元本割れということになります。「受取倍率」は、親が死亡した時に払い込んだ保険料の何倍を受け取ることが出来るかという倍率です。仮に10.2であれば、支払った保険料の10.2倍の金額を受け取ることができることを意味します。

育英年金が付いているか否か

契約者が死亡した後にも、支払うことになる「育英年金」が付いているか否かによって、受取倍率がずいぶんと違ってきます。死亡後何年にもわたり、育英年金が支払われる学資保険に加入していた場合には、当然「受取倍率」が高くなります。

「受取倍率」が高い学資保険プランの場合には、先の「回収率」を低く抑えるのが通常です。

育英年金がない学資保険プランであれば、受取倍率が高くならないため、満期時に受け取る回収率は比較的高く、1.0以上になる学資保険もあります。

学資保険を選択する場合、貯蓄型か、保障型か、どちらが自分の希望にかなっているかを考えましょう。

・自分の死亡時の保障が大きい(受取倍率の高い)学資保険を希望している。
・学資保険は貯蓄として考えているので、回収率が高い学資保険を希望している。

大別すると、どちらかになるでしょう。

ご自分にとって、どちらのタイプの学資保険が良いかを、この機会に考えてから、各社の学資保険を比較してみてはどうでしょうか。

やはり郵便局の学資保険を知りたい

学資保険というと、郵便局の学資保険が頭に浮かぶ人が多いようですね。

そこでこのコラムでは、郵便局の学資保険について考えてみましょう。

郵便局の学資保険の最新情報については、以下の「かんぽ」のホームページを参考にしました。

かんぽのホームページの学資保険のカテゴリー

郵便局の学資保険の特徴

かんぽの学資保険のページで強調されているのは、加入できる期間中に、いつでも開始することができるという点です。出生や新入園の時などに、いつでも学資保険を始められるのが、郵便局の学資保険の特徴ですね。

・15歳で満期になる高校進学コース:子供が0歳10歳であれば加入可
・18歳で満期になる大学進学コース:子供が0歳12歳であれば加入可
・【生存保険金付】18歳で満期になる大学進学コース:子供が0歳9歳であれば加入可
・【生存保険金付】22歳で満期になる大学進学コース:子供が0歳12歳であれば加入可

これらの4コースが基本です。これらのコースに、育英年金付というコースを選択することもできます。

なお、生存保険金が付くのが、郵便局の学資保険の特徴ですが、少し複雑な内容なので、この点については、かんぽのホームページに書かれていることを引用しておきます。

『生存保険金付18歳満期学資保険では、中学校進学時(12歳)及び高校進学時(15歳)に基準保険金額の10%の生存保険金が支払われます。また、生存保険金付22歳満期学資保険では、大学進学時(18歳)に基準保険金額の60%、20歳時に基準保険金額の20%の生存保険金が支払われます。』

郵便局の学資保険に入っている人の意見を聞いてみると、保険会社が倒産することを心配しているようです。

郵便局が民営化しても、一般企業ほどは倒産の心配がないでしょう。

多くの保険会社は、倒産の心配がないでしょうが、長期に保険をかけて、着実に子供教育資金を確保したいという希望が強い場合には、郵便局の学資保険が安全かもしれませんね。

いずれにしても、学資保険については情報収集が欠かせません。

その人によって希望する優先順位が違うため、誰にでもお薦めという学資保険がないのが実情です。

このサイトで学資保険の基礎を理解して、十分に研究してくださいね。

学資保険とは:基本中の基本

子供の教育費をきちんと確保したい。

そう願う親の気持ちを反映して作られたのが学資保険です。

ただ、その学資保険は、保険各社によって微妙に違いがあり、保険に詳しくない一般の人にとっては、わかりにくくなっています。

このコラムではまず、学資保険とは、どのような保険であるか、その特徴について考えてみましょう。

学資保険とは

良く聞く学資保険という言葉ですが、具体的な内容というとなかなかわかりにくいものです。

その学資保険の説明をよくまとめてあったのが、AllAboutの用語集でした。ここでご紹介しておきましょう。

『学資保険とは、こども保険の中で、特に子供の教育資金作りに重きをおいた保険。

こども保険は、子供の入学時など成長に合わせた支給される祝い金や満期保険金が支払われ、さらに、親が死亡した後は保険料が免除されるという保障がついている保険のこと。そうした支給額や保障に加えて、さらに、子供の医療保障もついているものもある。こども保険のうち、特に教育資金作りに重きをおいた貯蓄性の高い保険を学資保険という。』

引用: AllAboutの用語集: 学資保険

この学資保険の説明を、もう少し具体的に整理してみましょう。

学資保険の特徴

学資保険の主な特徴は、以下の通りです。

・貯蓄目的
普段の生活費で、いつの間にか貯金が減っていた。こういうことって結構ありますよね。そのため、将来の子供の教育費は、きちんと別に貯蓄しておく。それが学資保険の目的です。学資保険の種類によっては、高校や大学の入学時にお祝い金がもらえるタイプもあります。

・契約者の死亡保障
契約者である父親が死亡したり、障害を負ったりした場合に、それ以降の保険料を支払う必要がありません。また学資保険の種類によっては、育英年金が支払われるという保険タイプもあります。契約者の死亡時でも、契約している保険の権利を、子供が相続することになるため、満期金・お祝い金・育英年金は、契約内容に従って、子供が受け取ることができます。

・子供の医療費保障
子供が怪我をしたり、病気になったりした時の入院費用や手術費用も、多くの学資保険商品で保障されています。

・子供の死亡保障
子供の怪我や病気ばかりではなく、死亡や高度の障害についての保障もカバーされている学資保険があります。

学資保険の契約

ここでは、学資保険の契約について、簡単にまとめておきましょう。

  • 契約者: 父親もしくは母親
  • 被保険者: 子供
  • 学資保険の受取人: 契約者
  • 保険期間: 学資保険のタイプにより年齢が異なる(15歳、18歳、22歳等)
  • 保険料の振込期間: 通常は保険期間と同じ
  • お金の受取時期: 保険の満期時および子供の進学時

これらの基本的な特徴を理解して、学資保険各社の保険内容を読んでみると、理解がしやすくなります。

あなたの希望にかなった学資保険が見つけられますように!